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誰も住まない実家を相続 空き家の危険と手放す方法

住宅・土地統計調査(総務省)によれば、空き家の総数は、この20年で約1.8倍に増加しています。全国の空き家数はおよそ846万戸、全住宅に占める空き家の割合(空き家率)は13.55%となっています(平成30年調査)。

 

「空き家の実家を相続したがとりあえず放置している。」

「いずれ実家を相続することになるが誰も住む予定はない。」

 

そんな方も多いのではないでしょうか。

 

誰も住まずに使わない物件でも、不動産を所有している限り、管理責任や固定資産税などが発生します。

 

「代々引き継いでいる家なので絶対に残しておきたい」という場合は別ですが、「とりあえず当面残しておく」という選択が本当に正しいのかは難しいところです。

 

この記事では、空き家の危険性やデメリット、空き家を手放す方法についてお伝えします。

 

空き家のまま置いておく危険性やデメリット

 空き家のままにしておくことには、多くの危険やデメリットがあります。

 

物理的な危険性や損害賠償のリスク

住宅は空き家のまま放置すると、次のような危険が発生します。

 

 

「住宅の腐朽・破損の進行、倒壊」

 

「樹木・雑草の繁茂」

 

「不審者の侵入や放火」

「ゴミや廃棄物の不法投棄」

 

万が一、所有する空家が原因で周辺住民や通行人など第三者に被害を与えた場合は、損害賠償などの管理責任を問われることがあります。

 

(民法第717条)

 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

 

実際、空き家を適正に管理していくことは大変な労力がかかります。

 

○定期的に敷地内の立木の伐採や雑草の除去を行う。夏季は雑草や枝が繁茂しやすく、害虫などが発生しやすくなる。冬季は枯れ葉や枯草が火災の原因となる恐れがある。

 

○屋根や外壁、窓などの破損がないように修理・補強する。強風や台風で飛散したり、壊れた雨戸や部材がぶつかって騒音が発生することがある。また、窓や雨戸が破損していると、不審者等の侵入のおそれもある。

 

○敷地内に不要物を置かずに清掃や整理・整頓をする。敷地内に不要物が多く雑然としていると、不法投棄の原因となるおそれがある。また、灯油やガスボンベなどを放置しない。

 

「特定空き家」で税金6倍?!罰金も?!

空き家のデメリットは物理的な管理責任だけではありません。

 

危険な空き家は「特定空き家」に指定される可能性がある

20155月に、「空家等対策の推進に関する特別対策措置法」が施行されました。

 

これにより、もし空き家である実家が「特定空き家等」という指定を受けた場合、自治体から改善や解体の指導・勧告がなされることになります。

 

どのような空き家が「特定空き家」とされるか

「空家等対策の推進に関する特別対策措置法」では、次のような状態の空き家が「特定空き家」と指定されるとされています。

  •  ・ 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

  •  

     ・著しく衛生上有害となるおそれのある状態

  •  

     ・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態

  •  

     ・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

 

特定空き家に指定されると固定資産税が最大6倍になる

特定空き家に指定されて、自治体の改善勧告に従わない場合、固定資産税の優遇措置が解除されます。

 

通常、居住用住宅が建っている底地は、固定資産税の「住宅用地の特例措置」が適用され、固定資産税が最大6分の1まで減額されています。都市計画税も最大3分の1まで減額されています。

 

しかし、特定空き家に指定されて、行政からの「改善勧告」を受けると、この「住宅用地の特例措置」の対象から除外されます。

 

その結果、固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、固定資産税額は更地状態と同等の最大6倍となる場合があります。

 

 

行政からの勧告・命令に従わないと罰則も

空き家の状態を改善するように自治体からの指導や勧告を受けても対応しないで、さらに自治体からの「命令」にも応じずに違反となった場合には、最大50万円以下の過料が科せられてしまいます。

 

相続した実家を手放す方法

上記のとおり、空き家のまま「とりあえず当面残す」という選択は危険やデメリットが伴います。

では、相続した実家を手放すにはどのようにすればよいのでしょうか?

 

一般的に考えられる方法は次のとおりです。

 

 売却

空き家バンク

贈与(無償であげる)

寄付

相続放棄

 

それぞれの制度を確認しつつ、現実的に可能な方法かを見ていきます。

 

売却

不動産といえば「売却」して手放すというのがまず思いつきます。

 

当然のことですが、不動産の売買は、「買い手」と「売り手」がいて初めて成立します。

 

買い手が見つかりやすい物件、つまり、世の中の需要があるエリアの物件であれば、売買という手段もありえます。

 

しかし、地方の山間部など、買い手が見つからない家の場合は、売買は現実的ではありません。

 

ちなみに、最近では、自治体が、空き家を手放したい人と貰いたい人を繋げる取り組みをしているところもあります。平成29年に、国土交通省が空き家・空き地の流通を促進するため、民間企業に事業委託して「空き家・空き地バンク」を設置しました。自治体によっては、この取り組みに参加しているところもあり、登録をして買主を待つということも可能です。もちろん、買主希望者がいなければ売買は成立しませんので、売買を確約するものではありません。

 

なお、宅地以外に、山林や雑種地などの場合には、買い手を見つけることはほぼ不可能ということが多いです。

 

また、農地の場合には、売買するには農地法に基づく許可が必要というエリアも多く、そもそも売買を行うこと自体が難しいというケースもあります。

 

ちなみに、売却の前提として名義変更(相続登記)が必要です。相続登記については「こちら」をご覧ください。

 

贈与(無償であげる)

売買が難しい場合に、次に思いつくのが贈与です。

 

隣地の所有者や近隣の方に、「無償であげる(タダであげる)」という方法です。

 

隣地や近隣の方からすれば、自分の敷地が広がり、資産価値・利用価値が向上するため、受け入れやすい話ではあります。

 

ただ、貰う方からすると、「固定資産税もかかるし、それほど積極的に欲しくはない」という場合もあります。

 

当事務所が関与した過去のケースでは、譲渡する側から多少の金銭を一緒に渡したうえで、隣地の方に受け取ってもらったというケースもあります。

 

また、不動産の価格によっては、受け取る側に「贈与税」が課税される可能性もあるため、しっかりと確認・調整が必要です。

 

なお、売買と同じように、農地の場合には、贈与であっても農地法に基づく許可が必要というエリアも多いため、難しいというケースもあります。

 

ちなみに、贈与の前提として名義変更(相続登記)が必要です。相続登記については「こちらをご覧ください。

 

自治体に寄付

買い手が見つかりそうにないので売買は難しい、貰ってくれる近隣住民もいないので贈与も難しいとなると、次は「自治体に寄付できないか」と検討する方が多いです。

 

現実的には、自治体で不動産の寄付を受け付けることはほとんどありません。

 

自治体の方でその土地を道路や公園など行政利用するといった目的があれば別ですが、一般的には不動産の寄付は受けてもらうことはかなり難しいです。

 

実際、国土交通省や東京財団政策研究所の資料によれば、実際に寄付の申し出があった自治体のうち、受け入れ件数が年間0件の自治体が56%、年15件の受け入れが34%となっており、自治体による不動産の寄付の受け入れは非常に困難です。

 

相続放棄

にっちもさっちもいかない不動産なら、そもそも「相続を放棄する」という方法を考えることがあります。

 

しかし、現在の法律では、一部の財産だけの相続放棄は認められていません。

 

つまり、「この土地は要らないので相続放棄するけど、他の財産は相続する」といったことができないのです。

 

ちなみに、一定の要件のもと、相続した土地の所有権を放棄して国に帰属できるようにする制度の創設が検討されていますが、改正・施行はまだ決まっていません。

※本記事の執筆時点(20211月)

 

相続放棄は、一切の財産や負債の相続を放棄すること、相続人としての地位を放棄することです。

 

相続放棄は家庭裁判所で「相続放棄の申述の申立て」を行います。

 

この申立ては、「自己のために相続があったことを知ったとき」から3か月以内に行う必要があります。

 

相続放棄が受理されると、その相続人は「初めから相続人ではなかった」ことになります。

 

つまり、遺産を一切相続しないことになるため、空き家を引き継ぐこともなくなります。

 

相続放棄をすると親戚に迷惑がかかる?!

相続には、順位があります。

 

第一順位 子

第二順位 直系尊属

第三順位 兄弟姉妹

※配偶者は常に相続人になります。

 

相続放棄が受理されると、相続権は次の順位の人に移ります。

 

例えば、親が亡くなり、その子供全員が相続放棄をした場合、次の相続人として故人の両親が相続人になります。

 

故人の両親も相続放棄をした場合、故人の兄弟姉妹(すでに亡くなっている人がいればその子供)が相続人になります。

 

 

そのため、相続放棄をした場合は、次の相続人になる親戚も相続放棄の手続きをしないと、不意打ち的に空き家を相続することになりかねません。

 

相続放棄をする場合は、できる限り、次の順位の相続人となる方に、相続放棄をする旨や空き家を相続する可能性があること、放棄をするならば相続放棄の手続きが必要なことを知らせておくことをおすすめします。

 

相続放棄をしても、空き家の管理義務が残り続ける?!

相続放棄が受理されれば、空き家を引き継ぐことはなくなるので、もう一切の責任を負わなくて済むのでしょうか?

 

相続放棄しても管理義務が残る

相続放棄が受理されると、その相続人は「初めから相続人ではなかった」ことになります。

 

しかし、民法では、相続放棄した場合でも、一定の時期まで、遺産の「管理義務」が残ると規定されています(民法940条1項)。

 

つまり、相続放棄をしても、空き家をきちんと管理をしていかないといけないのです。

 

 

民法第940条第1項

「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」

 

 

例えば、相続放棄をしたマンションを放置しておいて水漏れなどで階下に被害が出た場合、戸建てを放置しておいて倒壊や瓦などの落下により他人にケガをさせてしまった場合などは、管理責任を問われ、損害賠償請求を受ける可能性があります。また、敷地に不法投棄された場合には、自らその撤去費用を負担しないといけなくなるおそれがあります。

 

相続放棄をしたからと言っても、安心はできないのです。

 

 

相続放棄した後の管理義務はいつまで続くのか

相続放棄をした後、次順位で相続人になる人がいれば、その人に管理義務が渡るわけですが、ここで問題となるのが、相続人全員が放棄をした場合です。

 

相続放棄をした人の管理義務は、「その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで」(民法9401項)、続くことになります。

 

次順位の相続人を含めた相続人全員が相続放棄をした場合、相続人が誰もいなくなるからそれでいいかというと、そうではありません。

 

すべての相続人が相続放棄をした場合には、空き家を含めた相続財産は、「相続人不存在」という状態になります。

 

相続人が誰もいなくなった財産は、適切に管理し、換価して債権者や受遺者に必要な支払いを行い、最終的に国に帰属させるまでを行うことになります。

 

この役割をする人を「相続財産管理人」といいます。

 

この「相続財産管理人」が選任され、適切に管理されるようになって初めて、相続放棄をした人は空き家の管理義務から解放されることになります。

 

では、「相続財産管理人」はどのように選ばれるのでしょうか?

 

選任には申し立てをしなくてはならず、亡くなった人の最後の住所を管轄する家庭裁判所にて行います。債権者などの「利害関係者」がいれば申し立てを行うこともできますが、税員が相続放棄をした場合などは、もともとの相続人が行うケースがほとんどです。

 

 

相続財産管理人が選任され、適切に管理されるようになれば管理義務から免れるのであれば、すぐにでも選任の申立てをすれば良いのではないかと思うかもしれません。

 

しかし、相続財産管理人が選任されることになれば、今度は相続財産管理人の費用の問題も発生します。

 

相続財産管理人が相続財産を最終的に国庫に帰属させるまでには、相続人調査、債権者への弁済、特別縁故者への分与などを行い、その間、相続財産管理人の報酬を支払わなければなりません。

 

報酬は相続財産から支払われることになりますが、足りなければ申立人が支払うことになります。

 

相続放棄を選択しても、結局、相続財産を管理しなければならず、管理したくないから相続財産管理人の選任を申し立てた場合は、報酬を支払うことになります。

 

しかし、それでも住む予定のない空き家を所有して固定資産税を払い続けるよりは割安になる可能性がありますし、次世代まで問題解決を先延ばしにしたままでいるよりは管理等の問題でも負担が格段に少なくなります。

 

相続放棄は、必ずしも他の相続人と一緒に行う必要はなく、自分ひとりで行うことが可能です。

 

放棄できる期限も決まっていますので、「相続したくない」と思ったらできるだけ早く手続きをしましょう。

 

空き家のまま放置することや資産価値が乏しい不動産だからと名義変更をしないことは、問題の先送りになり、次世代に負担を寄せることになります。先送りするほど、問題解決に必要な時間・費用・労力は増していきます。

 

解決が可能な間に、家族や親族でよく話し合っておくことをおすすめしています。

 

 

相続放棄サポートについては「こちら」をご覧ください。

相続放棄に関するQ&Aは→

相続放棄の解決事例は→

この記事を担当した司法書士

司法書士法人・行政書士 オールシップ

代表

市山 智

保有資格

司法書士 行政書士

専門分野

相続・遺言・成年後見・民事信託

経歴

相続・遺言・生前対策を中心に取り扱う「司法書士法人・行政書士オールシップ」の代表。相続関係の手続きや成年後見等の財産管理など、年間300件以上の相談に対応。分かりやすく・笑顔で相談に乗れるよう心掛け、迅速・丁寧な対応で依頼者からの信頼も厚く、リピートや紹介での依頼も多い。相続関連書籍の執筆協力やセミナー・研修等の講師実績も多数あり。


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